人類と惑星の物語 マルデック8

これは故アモラ クアン イン の「プレアデス 人類と惑星の物語」の本の紹介です。

以前は別のブログで紹介していたのですが、訳あって今回からこのブログで紹介することにします。この物語が実際に遠い過去に起こったのか、否かは別として私にはこの物語に何か魅かれるものがあったのです。それでは前回からの続き。

 幼い魂の社会では、火星人とアンドロメダ人の社会からの訪問者たちは驚嘆と偉大なる熱狂をもって受け入れられました。だれもが新しい友人たちに自分の家に宿泊してもらうことを望みました。また彼らは、客人が居心地が悪くなって何かを話したり行動を起こしたりしようとするまで、長いあいだじっと訪問者をすわったまま見つめつづけたりしました。そして客人が何かを依頼すると、その要請はすみやかにかなえられ、客人の要求に答えられないときには申し訳なさそうに謝罪さえしたのです。火星人とアンドロメダ人の社会の人々は非常に寛容だったので、そうした彼らのホストの弱点を利用しようとはしませんでした。むしろ彼らは、それを奇妙にうっとうしく感じたのです。

~中略~

ちょうどそのころ、創造的なアイディアが2つの社会にほとんど同時に現れました。2つの集団は一緒に新しい方角を探索しながら、自分たち以外のマルデックに住む人々や新しい環境や自然の資源があるかどうかを発見することを思いついたのです。

3つの社会が出会う―2004年

~中略~

そして次の旅では、体験したことのないほどの乾いた熱い日射しの照りつける荒野へとたどり着きました。その平坦な大地は永遠に続くかのように思われましたが、月の2.5サイクルが終わるころ、もうひとつの大きな川に出会いました。その大きな川のほとりで旅を打ち切らざるをえない運命に思われましたが、今度こそ川を横切ろうとする新たなひらめきが訪れました。というのも、彼らがその川の岸辺を行ったり来たりしているうちに、はるか向こう岸にいる人々の一群を見たからでした。それらの人々の容貌は、ひとつの大きな違いを除けばほかの2つの社会のメンバーと非常に似通っていました。つまりそれらの人々は黒い肌をもち、なかには雪のように白い髪の人がいたのですが、この2つの社会の人々はそうした肌や髪の色をはじめて見たのです。

~中略~

いかだが対岸に着いたとき、川の両岸から人々の歓声が聞こえました。黒い肌の人々はいかだを岸に着けるのを助けようとして駆け寄りました。それから人々は立ちつくしたまま、なんとはなしにお互いを凝視しあいました。

 オリオンの社会の人々は、自分たちより明るい肌をした人々を自分たちのキャンプ地に招待し、そこで訪問者たちの衣服を脱がせ始めました。到着したばかりの旅人に入浴とマッサージをふるまうのがオリオンの人々の風習であり、ごく当たり前の礼儀と考えられていたからです。しかし訪問者たちはこの奇妙で怪しげなふるまいに不意をつかれて、かたい表情になってしまいました。数分ほどたったころ、わけのわからないオリオンの社会の住民が、「これはあなたがたに敬意を表すための行為です。あなたがたはそうされるのが嫌なのですか?」と質問しました。訪問者たちの一人は、自分たちが敬われているのではなく、侵害されているように感じると答えました。それを聞いてオリオンの住民の一人の女性がその意味を瞬時に理解し、自分たちの習慣を詳しく説明しました。それがきっかけとなってそれぞれの社会の文化や生活スタイルの比較が始められました。

~中略~

オリオンからほかの2つの社会の訪問にやってきた人々のなかには、そのままどとまって新しい知人とともに暮らすことを望む人もいました。そしてみんなの同意のもとに3家族が幼い魂の社会にとどまり、5家族が火星人とアンドロメダ人の社会にとどまることになりました。それ以前に幼い魂の社会からの数家族が火星人とアンドロメダ人の社会に移住し、火星人とアンドロメダ人のメンバーが幼い魂の社会にすでに永住していました。こうしてマルデックの住人たちは混ざり合っていきました。

旅人がブラック・ホール社会にたどり着く-2012年

時が過ぎて2つの集団が集合場所で落ち合ったとき、どちらの集団も報告することがとりたててありませんでした。そこで彼らは、ふたたび2つに分かれてさらに遠くまで探検することに決めました。彼らは是が非でも新しい人々の集団を見つけたいという強い感情に支えられ、決して望みを捨てなかったのです。決められた時間の半分が経過しないうちに、内陸部の集団が4番目のマルデック人の社会にたどり着きました。その街に近づいていくと、彼らは人々の驚愕に出会いました。明るい肌から中間色の肌を持つ黒い髪の人々や、非常に暗い肌と黒い髪や雪のように白い肌をもつ人々が入り混じった奇妙な一隊を見て、それらの人々は息が止まりそうなほどびっくりしたのです。

ブラック・ホール社会の住民は、珍しい青みがかった灰色の肌と青黒い髪と黒い目をもっていました。彼らはそこまで際立った青色ではありませんが、地球の東インドの神であるクリシュナの現代の絵によく似た容貌をしていました。彼らはまたほかの3つの社会の住民よりも長身で頑強であり、それが非常に際立った特徴になっていました。そしてまたしても言葉の類似性に関する発見がなされると、コミュニケーションはかなり簡単に進みました。

ブラック・ホール社会で月の1.5サイクルを過ごしたあとで、旅人達は故郷へ帰ることに決めました。彼らのホストにも彼らと一緒に別の社会を見に来るよう招待し、ブラック・ホールの社会の人々が、ほかの社会の全員に受け入れられ、互いの生き方を紹介しあえることを約束しました。しかしブラックホール社会の住民は、すみやかに彼らの申し出を辞退し、旅人達の使者をあとに残していくよう招待もしなかったのです。

旅人たちが理解していなかったのは、ブラック・ホール社会の人々の起源でした。2つの銀河の突然の衝突により、すべての人々の即死とともにブラック・ホールのなかで自分自身を一時的に見失うという体験がもたらされたことで、変化への怖れや、突然または予想外の出来事への恐怖とともにそれが人々の魂に刷り込まれていたのです。そして旅人たちの一隊の到着は突然すぎる予測できない出来事であり、それと同時に、海や川やいかだや車輪や荷車に関する話は、人々の心を揺さぶってめまいのような魅惑的な残しました。

彼らの不安や恐怖の潜在的な理由は、ブラック・ホールの社会の人々自身にも理解されていませんでした。しかし彼らは部外者から漠然と距離をおき遠ざかることによって、できるだけ影響を受けないようにしていました。ですから招かれざる人々が去ったときにはホッとしたように感じていました。しかしそのいっぽうで、新しい可能性という世界への扉はすでに開かれてしまったのです。つまりブラック・ホール社会の住民が、そのまま現実を回避しながら安全で幸福な状態でいることは不可能でした。自分たちが理解していた以上のことが人生には存在するということを知ってしまった以上、彼らの霊魂はもう決して前と同じではありえなかったのです。